あれから1年

“ミサイル5,000発”は行程表には入ってなかったサバイバルイスラエル2023。

死者数1200名以上、拉致被害者250名以上、イスラエルにとって悪夢となった2023年10月7日から1年。

「ガザからミサイルが5,000発飛んで来ています」

その数の意味も何が起こっているかもわからないまま、僕の11回目のイスラエルの旅3日目の朝がスタートとし、時間の経過とともに事態の深刻さが明らかになってきた。

「ガザからハマスの戦闘員達が大量にイスラエルへ侵入して来ていて多くの人々が犠牲になっている」

まさか今生において戦争に巻き込まれる、ミサイルが降ってくる、テロリストがすぐ側までやって来ている事態に巻き込まれるとは思ってもなく、まるで映画の中にいるような非日常の現実に最初は頭が混乱しかけた。

1人ならまだしも、30名も人々を連れてこんな出来事になるなんて、神様はなんて試練を与えるの…と。

でも、逆に大勢の命を守る責任があったからこそ、プレッシャーや恐怖を超えて1人の状況よりも冷静になることができ、グループをパニックになることなく導けたと思う。

そして僕らは不幸中の幸いで、ちょうどイスラエル国内でも避難民もやって来る安全なエリアが訪問する主な目的地だったから、旅の行程も8割はこなせ、1度もサイレンの音を聞くこともなく、シェルターに避難することもなかった。

でも、昨日までいたテルアビブの都市にミサイルは落ちたり、
昨日までいたティベリアの街がミサイル標的でアラーム警告となったり、
最終日も僕らがベングリオン国際空港に到着する1時間前まではミサイル警報でみんなシェルターに避難して空港も封鎖されていたり、

と、すべてタッチの差でズレていた。

1度でもサイレンを聞いたり、シェルターに避難する経験をすると、人によってはそれがトラウマになったり、恐怖が増幅される可能性があったから、それは本当に何かに導かれて幸運だったと思う。

有事の際にグループを牽引していて分かったのは、グループにも集合意識が間違いなく存在しており、1人でもパニックになったり、感情が大きく乱れると、それが全体に伝播して恐怖やパニックが共鳴して大混乱になる可能性があること。

だからリーダーは、1人ひとりの心の音叉の響きに耳をすませて、その音が乱れている人がいたら、とにかく自分の響きと同調してもらい、調和させていくことが重要。

故に自分自身が冷静さを欠いて周波数が乱れたら、そのパーティーの集合意識は大混乱となるので、とことん自分の内側を見つめ、客観視し、冷静さを保つことが求められる。

普段そこまで意識を集中することは少なく、まるで東京タワーのてっぺんの先の上でも、安全な地上に立っているかのように意識を保つ感覚で、少しでも恐怖や不安に意識が振れるとたちまち不安定に心や意識が乱れてしまいそうになる。

これからの時代、日本にいてもどこにいても、誰もが戦争や災害に限らず有事に突然巻き込まれる可能性があるので、この感覚はとても大事であり、やはり日頃から瞑想などをやるといざという時に意識の使い方が役立つ。

いずれにしても、あれから1年経過して事態は収束に向かうどころか、ヒズボラやイランも巻き込む大戦争へと発展しかねない状況であり、この世界はまだまだ1つの終末物語に向かって展開されていく。

でも、どんなに世界が混沌としても、最後はすべてがひっくり返り、また新しい物語が始まっていく。