インドの旅の最後は南インドのケララから東へタミル州へと移り、インドが誇る世界最大規模の集合コミュニティ”オーロヴィル”に3日間滞在。
「すべての国の男女が、信条や政治や国籍ではなく、平和と進歩の調和のもとに暮らせるユニバーサルタウン(地球都市)になる」
そんな理念と理想をもとに始まったオーロヴィルは、UNESCOやインド政府もバックアップもあり、世界124カ国の国や地域の代表が集って1968年にスタート。
インドのスピリチュアルな思想家で政治家でもあったシュリ・オーロビンド(1872~1950)の後継者であり、通称”マザー”と呼ばれていた女性のミラ・アルファッサ(1878~1973)が創始者。
マザーはオーロヴィルには滞在せず、遠隔地からコミュニティ構築を指示、それも設立から5年後の1973年には亡くなってしまい、その後も指導者なきコミュニティとして50年以上も続いているのがオーロヴィルのコミュニティとしての特徴。
精神的支柱ともなるコミュニティリーダーがいなくとも各々が自立して、役割に分かれた組織が協力し合ってコミュニティを形成している。
マザー亡き後、オーロヴィルコミュニティにとっての中心は、オーロヴィルの象徴である
「マトリマンディール」
と名付けられた金色の球体施設。




遠くで見るよりも実際間近で見るとかなり巨大な建造物であり、ここは実用としては瞑想センター。
今回、まず最初にこの前マトリマンディールに入り瞑想体験。
内部は撮影も一切禁止のため写真はないですが、想像以上に”宇宙的”でビックリ…。
「これって実在する別次元の宇宙船…のイメージ??」
と思ってしまうほど、とにかく異空間でした。

螺旋階段で上部にある瞑想ルームへ入ると、そこの中心にはかなり巨大な水晶球体があり、最下部の底にも水晶が設置されている。
オーロヴィルそのものは、南インドの田舎の村の中にあるので、このローカルインドエリアから想像つかない異次元建造物…。
オーロヴィル全体は、このマトリマンディール を中心に銀河の渦を描くようにコミュニティエリアがデザインされている。

マトリマンディールの周囲に
*国際エリア
*文化エリア
*産業エリア
*住居エリア
があり、その周囲にグリーンベルトとして植林された森林地帯や有機農業エリアが広がっている。
今もオーロヴィル住民(オーロヴィリアン)が、3000人以上も暮らしており、そのうち40%はインド人で他に60カ国以上の世界中の人々が移住して暮らしている。
住民の多くはボランティアでオーロヴィルに貢献し、産業エリアで事業をやっている人々も売上の一定数をオーロヴィルに寄付してコミュニティを支えている。
オーロヴィル全体の中に、大小様々なエコヴィレッジや暮らしをしている人がいて、今のキブツ八ヶ岳のエリアコミュニティとしての発展形として非常に参考になる要素も多かった。








統合医療病院もあり、そこでホメオパシーのレメディ処方からアーユルヴェーダ診断、マッサージやセラピーも受けられるそう。
オーロヴィルの地球都市として実験はまだまだ継続中であり、コミュニティは人が集う場所だけに多くの課題も現在抱えている様子。










全体的には、環境への意識はとても高く、強い意識を持っている人が多い分、現代文明に対して厳しい視点と反発的エネルギーは強く、農業も自然農にこだわる分、石油資材や機械化は推奨せず、循環型コミュニティとしてもテクノロジーを否定して原始的要素も強い印象がある。
それはそのポリシーで良いとは思うけど、世界は20世紀から21世紀となり、日本も昭和から平成、そして令和となり、またその先に続く時代の今、僕らのコンセプトは文明との融合を目指す”ネオ縄文”であって、バック・トゥ・ザ・JOMONではないので、そこはオーロヴィルのコンセプトとは少し違うかな。
でも、短い滞在とはいえ、ここ数年で世界を代表する歴史ある3大コミュニティ
*ダマヌール(イタリア)
*フィンドホーン(スコットランド)
*オーロヴィル(インド)
をそれぞれ視察体験できた。
これらを見ても、やはり僕はイスラエルの”キブツ”もやはりコミュニティとしてのレベルは相当高く、素晴らしいものだと思う。
そして、それらをすべて見た上で、世界どこにもない新しい次元のコミュニティを日本で、八ヶ岳で作り出そうと思う。
今回は、特にコミュニティ医療に関わる部分においても非常に学び多いインド滞在となったかな。

とりあえず日本に向けてこれから帰ります。
まずはチェンナイからデリーへ。
安定の飛行機がすでに1時間遅れの案内。
無事日本行きへ乗り換えられますように…。













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